名残の茶事とは~お勧めの飛び柄小紋と名古屋帯~

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「10月は名残茶事」の月です

[名残の茶事とは]
前の年の口切から一年間飲み続けてきた茶壷の茶葉が、
残り少なくなってきたころに催す茶事のことです

前年の茶に名残を惜しむ。侘しく物静かな風情を感じさせます。

お道具の取り合わせ、趣向も大切です。懐石や点心などにも
気を使います。

茶室では、風炉(ふろ)を用いてお湯を沸かします。そして、
茶室の装飾やお道具も季節の変化を表現して秋の終わりにふ
さわしい控えめで落ち着いた雰囲気にします。

「名残の茶事」なので過ぎゆく季節や物事への「名残惜しさ」
という心情を茶会のテーマとして夏の出来事や過去の茶事を思い
出しながら参加者全員で名残惜しさや感謝の気持ちを共有します。

秋の終わりを感じさせる食材で料理が振る舞われ、菓子や掛け軸
などにも名残を表現するものを選びます。侘び寂びを感じる素朴な
風情が重視されます。

名残の茶事は年間行事の中で大切な節目です。次の「炉開き」
冬の茶会シーズンの開始までの一連の流れを締めくくる役割がございます。

そんなお茶時にはおとなし目のお着物が良いでしょう。
無地で揃える社中でしたらもちろん無地で。特別着用するものの指定が
ないのであれば、こちらがお勧めです。

特選小紋 京染め[型染め・とび柄]

ひし形の中に唐華を配した模様で、その菱にも細かい柄がございます。
つくりは同じですが、模様のとび具合仕立て方によって雰囲気が多少変わ
ります。唐華の向きも多少違います。落ち着いたお色ですので、こげ茶系と
一般的には言うでしょう。もっとよく見ると、「憲法染め」いわゆる赤みが
かった黄色のくらい黒茶色に近いお色ではないでしょうか。

9月の単衣、10月からの袷にはとても良いお品だと思いす。

合わせる帯として

特選博多織紋八寸名古屋帯【本場筑前博多 大倉織物謹製・誠之輔ブランド】

雑誌「美しいキモノ」の日本のきものブランド50に選ばれたことの
ある大倉織物の≪誠之輔≫ブランド。博多織の名門処で、真の良い
洒落帯を作っておられます。しなやかなハリと締め心地の良さを持つ
上質な博多織の帯です。小紋や紬の他、御召や江戸小紋など、お茶席
にもお勧めですが普段使いのお着物にもどうぞお使いくださいませ。

こちらの帯は、とてもスッキリ感がございます。菊菱文様を変化させて
見方が変れば七宝にも感じられお太鼓部分は色糸を替えているだけです
ので結ぶ際に気にしすぎなくても大丈夫かと思われます。
(あくまで個人的な意見ですが)

 

九寸名古屋帯 (正絹)【帯屋捨松 謹製】「忍冬唐草文・パープル地・六通」

1854年の創業以来、実に150年。その妥協を許さない物作りは大勢の
キモノ通の方には定評のある人気ブランドの機屋さんです。 優しくて
気品のある神秘的な紫を地色にお柄は「忍冬唐草文」で お柄は上品に
まとめてございます。お着物に対して邪魔をせず尚且つ趣味性を漂う、
洗練された表情をしていますので、ひと味違う着物姿を演出してくれる
逸品の帯です。着用年齢や着用する場所も広い帯ですので、親子代々引
き継いで頂きたい逸品の九寸名古屋帯です。

 

正絹小紋[紋意匠に飛び柄松文・プラチナ箔使用]

紋意匠生地にプラチナ箔使用で松文を品良く飛び柄にあしらっています。
柄の雰囲気は、まさにお茶席向きと言えます。色と柄を使い過ぎず上品
に仕上げている様は、お茶席だけでなく普段のおしゃれにお召いただけ
る帯合わせが楽しくなる小紋です。着る方の年代層の幅も広く、まさに
お薦めのお品です。

 

お勧めの合わせる帯

特選西陣織九寸名古屋帯【小森織物謹製】「有職柄七宝に若松菱 六通」

しなやかに織り上げられたチョコレート色をベースにした帯地。
その中に細やかに七宝や若松菱を施し、おめでたいお席に良いお柄
となっております。何処を出されても良いですし、スリーシーズン
のお着物で淡いお色でしたらメリハリが効いて素敵です。軽くてしな
やかな風合いですので、重宝する一本です。

侘び寂びを感じる素朴な風情が重視されていて良いです

 

西陣織九寸名古屋帯【木原織物 謹製】「唐華・六通」

軽やかな風合いで結びやすい帯となっております。柄は、どちらか
というとしゃれ感があり市松柄が主でその一つ一つに柄が織り込ま
れています。主張はしておりませんのでお茶席などの控えめなお席
には上品にお召いただけます。

控え目というところと上のグレーの飛び柄小紋に合わせたら落ち着いた
感じで侘びと素朴さとを感じさせます。

勿論、帯締め帯揚げもおとなし目に合わせられた方が宜しいです。

こちらの小紋でも上の名古屋帯にも合うかと思います

正絹小紋 京染め[四海波・雪輪ぼかし・グレー色]

四海波とは、祝儀用に謡う、謡曲「高砂」の一節に出てきます。
日本を取り巻く四つの海の波の通称で、国の内外が平和である
事の願いを込めて模様化したものです。 その中に「雪輪の模様」
を手作業で柄付けをして、波が天の方向に向いて、着姿の美しい
高級小紋になりました。着用年齢を問わず、着用シーンも幅の広
いひと品です。 どんなシーンでも対応しますが、特にお茶席のお
着物として最高のお品です。

こちらは、わたくしがお勧めのお品ですので、ブログでも結構ご紹介
しているかと思います。

いつもご覧いただいている方には「またこの小紋」と思われがちですが
本当に良いお品ですのでどなたかのお目に留まっていただきたいという
思いがあるようです。【恐縮です】

このように名残の茶事は今までのお茶を惜しみ」侘び錆を感じる穏やかで
風情のある寂しいけれど、これから来るであろう喜びのための幕引きと
言いましょうか。区切りなのでしょう。

お茶の世界では大切な儀式です。どうぞ、名残の茶事も大切にしてください。

【感謝】のお気持ちを込めて