昨日と本日と二日続けて問屋さん、帯のメーカーさんがお越しでした。
初日は、月一で京都から通ってこられるところです。若い頃は何ともなかった
道のりですが、さすがに年とともにきつくなっているようです。
でも、今回は、「どうしても“むらたやさん”に見せたくて京都から直行しました」とお顔が自身に満ちておっしゃられるのです。
タイシルクで織られた塩瀬の帯、染は栗山吉三郎です。
確かに凄い。
染帯の不得意な地域だから染帯の仕入れをしない私どもですら心が躍るような
お品でした。
簡単ですが写真を撮りましたのでご覧ください。サイトにはまだ載せていません。
これから写真を撮って載せます。もう少しお時間がかかります。<(_ _)>
【塩瀬(タイシルク)栗山吉三郎染】お太鼓柄
どれも【和染紅型 栗山吉三郎作】です。
塩瀬は、難がでやすいから嫌がる方が多いのですが、この栗山吉三郎さんは、
さすが、自信がおありなだけありお上手です。
ましてや、生地がしっかりとした生地タイシルクです。高級品ですので、
「もしも失敗したら・・・・・・」ということを考えると躊躇する仕事です。
そんな生地で染められるからこそいいお色で染め上がってきたようです。
すでに、市内(京都)の呉服屋さんで数点売られたようです。
県外では、弊社(むらたや)に取り敢えず持ってこられました。
これからは、今までありそうで無かったものをそれも良い商品を売っていこう
とおっしゃっていました。
そこの主力商品であるお品も見せて頂きました。
織り方は企業秘密ですのでお教えはしていただけませんでした。
一層で織ってございます。
本来なら一層ということは、裏は、表の柄の裏側の柄が普通ですが、こちらは
違います。裏は表とは全く違う柄(無地感)となっています。
風通紋紗の帯です。
結ぶ期間は、スリーシーズンとおっしゃっていました。
5月・6月・7月・9月・10月頃でしょうか。紗なので8月も結んでも大丈夫か
と思いますが、おしゃれで結ぶなら8月は羅を選ばれたら尚おしゃれかなと
思います。フォーマルでいくなら絽の帯で結ばれると間違いはないでしょう。
次の日は、個人でされている帯の問屋さんです。この方は年に数回お越しで
良いものを持ってきてくださいます。また、情報も色々とくださいます。
今回も、最新の情報とともにお越しになられました。
ここで私共は、安藤織物の織成袋なごや帯を仕入れています。
数か月前からお話をしているように、この技法ができる方はただお一人で
その方が、入院されたというお話をしました。
その後、無事退院をされたんですが、高齢で悪いのが心臓ということでご家族の
皆様が、もう織るのをやめて欲しい。長生きをしてほしい。という説得があり
退院後数本織って、あと三本織れば糸もなくなるだろうという寸前でやめられたそうです。
その最後の仕事を拝見させていただきました。
配色も柄も「初めてだわ」というものでした。なんだかこれで最後と思いうと
ほんとにもったいないと思わざるおえません。
一つの大切な技術が失われたということです。
最後のお仕事のご紹介です。
【織成袋なごや帯】六通
こちらの八寸名古屋帯を広げた時、鱗模様の帯のお色がきれいで目につきました。
柄も鱗模様は知っていますが、こちらの帯で鱗模様は初めて拝見しました。
黄色も、卵色のようなきれいなお色ですので、きれいなお色の小紋に合うのでは
と思います。
問題は、これらがおいくらくらいなのかということです。
「数か月前までは、今後高くなることはあっても安くなることはない」
と言われていました。だから前回で仕入れは最後にしようと決めていました。
しかし、今回、織るのをやめるからこそ、本当にお好きな方、この帯を大切に
してくださる小売店にお安くお分けしたいとのお申し出が弊社にございました
ので、数点仕入れることにいたしました。
これで最後といわれました。
だから、以前に近いお値段でお分けできると思います。