喪服の重要性

喪服はいるのかしら?最近、着物着ないものね。とよくお客様が
おっしゃられます。
でも、お嬢様の成人式は、盛大に振袖をご用意される方、レンタル
される方、色々ですが多くの方が着物をお召しになっていらっしゃいます。

既に、成人式は振袖を着ないと・・・・・と思われている証拠です。
こちらは、おめでたいお席で着られた着物ですのでレンタルも有かなと
思いますが、それでは“喪服”はどうでしょうか。

実際、葬儀場でも喪服を貸し出しています。一応綺麗にして次にお貸しする
のでしょうが、どこの誰がどんな悲しいお席で着られたか分からない喪服を
着たいと思いますか?もしかしたらその借りる喪服は悲惨な事故で亡くなら
れたご遺族がお召しになられたかもしれませんよ。
とあまり恐怖心をおこす言葉はこのくらいにして・・・・・

結婚式はなどは、3、4か月前から連絡があり時間にも余裕がございます。
何を着てどの帯を締めようか悩む時間も十分ございます。

成人式もそうです。来年成人式だから作ろうか、借りようかと悩む
時間が十分ございます。

しかし、喪服については、いつ誰が亡くなるのかは分かりません。
明日か明後日に葬儀があるからといって、すぐ用意できる喪服はございません。
又、誰かが病気にかかった後では、亡くなるのを待っているようでご用意
しにくいものです。
ですから、喪服もご家族がお元気なうちにお作りになられる方が殆どです。

お嫁入りの時には、晴れ着になる訪問着や色無地や喪服を持たされるのが
当たり前でした。最低でもどのお着物を持たせたらいいのかを先方にお伺い
されるお家もございました。

しかし、今の時代何を持たせたら良いかしらとお伺いしても、多分先方は
遠慮して「何も持ってこなくても良いですよ。」とお応えになると思います。

そこが、間違いのもとで・・・・・

持っていかないとそれはそれで
「本当に何も持ってこなかったのね。」と言われたりします。

実際に、嫁いだ後「まずい」と思って喪服をご用意されるご家庭もございます。
喪服を娘に譲ろうとして、全く紋がどこの誰の紋なのか分からない紋がついて
いて仕方なく、周りがうるさいから買い直された方もいらっしゃいます。

昔のように箪笥一杯に着物をご用意して嫁ぐことはしなくても、必要最低限の
ご用意はされておかれた方が宜しいと思います。

そうすることにより、お嫁さんのご実家は、きちんとしたお家なのね。と
お嬢様の株も上がるというものです。

又、喪服にはお守りという意味もございます。喪服についている五つの家紋は
ご先祖様、ご両親を現していて、貴方を嫁いでからも悪いことから守るという
ものです。

喪服を作るのは、ご家族の愛情があってこそで、その喪服をお召しになると
言うことはご家族の愛に応えるということです。又それが、日本独特の文化
でもあるのです。

そこでお一つ喪服をつくる良い時期をご紹介します。
お嬢様の厄年の時、ご結婚がお決まりになった時、呉服屋さんでセールの時
色々とございます。その時は、袷と絽をお作りになりご結婚をしてから単衣の
喪服をお作りになられるのが一番です。
単衣までお作りになる方は少ないですが、もしお考えならば結婚後に納めて
上げられた方が良いです。すべて揃えて嫁がれたら、嫁ぎ先で
「誰かが亡くなるのを待っているかのようだわ。」と思われかねないと言わ
れています。お気を付け下さいませ。

大切なお嬢様の為に御守りと思ってお考え下さい。

きもの むらたや 

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