一月のお勧めお着物と帯

2024年が始まり10日が過ぎました。人日節句も過ぎ皆様は「春の七草」を食されたことと存じます。

この七草粥の行事は813年に嵯峨天皇に若菜の御膳を奉ったのが始まりと言われ
宮中の行事としてされていたものが、江戸時代に公式の節句として定められた。

 

明日は、「鏡開き」です。今年一年の一家円満を願いながら、神様に供えた鏡餅を
お下がりとして頂きます。

 

紬は着る人の個性を表現できる普段着であり、とてもお洒落な着物。蚕の繭
から引き出した糸に撚りをかけて織るのが紬。
その手法には「先染め」と「後染め」がありこちらは後者の後染めです。

このお品は黒地に四季折々の花柄模様(唐華)が白抜きで施されているように
型染めされてございます。とても手間のかかったお品です。おしゃれに、粋に
とお召しになる方の雰囲気に合わせて帯も名古屋だったりしゃれ袋だったりと
色々と楽しめます。

 

今回合わせた帯は、博多織の大倉織物の誠之輔ブランド新作です。
真の良い洒落帯を作っておられ、しなやかなハリと締め心地の良さを持つ上質
な博多織の帯です。小紋や紬の他、御召や江戸小紋など、普段使いのお着物に
もおすすめです。
白をベースに正方形のドット柄が幾何学的に配してあり、数色のお色で施され
てございます。おしゃれで粋な感じを表現してございます。

 

特選小紋 京染め[型染め・とび柄]
ひし形の中に唐華を配した模様で、その菱にも細かい柄がございます。
つくりは同じですが、模様のとび具合仕立て方によって雰囲気が多少変
わります。唐華の向きも多少違います。落ち着いたお色ですので、こげ
茶系と一般的には言うでしょう。
もっとよく見ると、「憲法染め」いわゆる赤みがかった黄色のくらい
黒茶色に近いお色ではないでしょうか。

お色を答えるのは難しいです。

合わせている帯は
特選西陣織八寸名古屋帯【安藤謹製】
織成(しょくせい)とは綴織の一つです。古くは正倉院に伝わる
「七条織成樹皮色袈裟」という裂地から再現された格式の高い技法です。
軽くてしなやかで、綴織に準ずる格式をそなえていますので、「お茶席向き
の装い」と言って間違いないでしょう。芯を入れる必要がないため、軽くて
結びやすいという利点もございます。一般的な袋帯に劣らない格があります
ので、二重太鼓の帯結びが苦手という方や、柄の位置を気にせずに結べると
いう利点がございます。

こちらの帯を織る職人さんがお歳で辞められました。実際この織り方は、その方
しかできなくて、大変貴重とされています。現在残っているのは、むらたやに3本
他の呉服屋さんがお持ちでしたらそれでおしまいとなるということです。

問屋さんが数本持っている可能性があるかもですが、それは可能性が低いです。

名古屋帯 特選西陣織九寸名古屋帯【川島織物謹製】
小紋 型染小紋(正絹)[油滴天目茶碗のイメージで作られた]

西陣の名門「川島織物謹製」のお太鼓柄の名古屋帯のご紹介です。
柄は、ペルーの民族柄に近寄った柄行です。帯地がベージュと生成りの
中間どころで、どんな着物のお色にも合わせやすい帯となっております。
所々にふっくらとした柔らかな質感のモール織が施されていて、表情が
豊かでオシャレな名古屋帯となっております。江戸小紋やとび柄小紋、
総柄小紋でお召し頂き粋におしゃれに結んで頂きたい一品です。

【小紋】
油滴天目茶碗をイメージして、茶碗の黒い釉中に油の点滴に似た小さな
丸い斑点を型染で縦ストライプの紋意匠白生地に色々なお色で施してご
ざいます。ここで4色以上のお色を使っていますので、型紙も4枚以上使
っていることになります。全体にちりばめてから、上から一色お色を重
ねます。そうすると深みのある素敵なお色になります。正に油滴天目茶碗
の様に趣のあるお品となっています。

 

どれもお茶席にも趣味の会にも合うお着物と帯となっております